糖尿病とインスリン(インシュリン、insulin)について 「インスリン治療は一度始めたら一生続けなければならないの?」

糖尿病とインスリン(インシュリン、insulin)について

糖尿病の種類には1型と2型があり、

糖尿病の治療法としては①食事療法②運動療法③薬事療法があります。

「糖尿病1型」はすい臓の病気で、すい臓を自分で壊してしまう抗体が出来ることによっておこるので、原則的にインスリン療法が不可欠になります。


2型糖尿病の患者は、食事療法や運動療法を取り入れた生活を行っても血糖コントロールがうまくできない場合、薬物療法が導入されます。

まずは、経口糖尿病薬(飲み薬)が主に使用されます。経口薬療法によっても、血糖コントロールが不十分な場合には主にインスリンなど の注射療法を行います。インスリン療法には、主に「単独療法」と「併用療法」の2種類があります。


●単独療法では、1日に数回(たいていは1~3回)のインスリン注射によって、良好な血糖コントロールを得ることを目的としています。

インスリン注射は毎日決まった用量とタイミングで行うため、使用するインスリン用量に見合っただけの量の食物を適切なタイミングで食べる必要があります。また、血糖値に影響を与える活動レベルについても注意しなくてはなりません。

インスリンの種類と用量、及び注射回数は、患者の状況(血糖コントロールの状況、食事の量やタイミング、活動量など)によって決められます。


●併用療法は、インスリンと経口糖尿病薬を組み合わせて血糖コントロールを行う方法です。

この方法が適用される患者は2型糖尿病の患者さんだけで、特にすい臓のインスリン分泌能がある程度残っている患者さんに効果が認められています。
使用されるインスリンと経口薬の組み合わせは、期待する効果や患者の状態によって決められます。

経口薬に期待される効果には、血糖値を減少させることだけではなく、末梢組織でのインスリン感受性の改善など様々な効果があります。

また、インスリン単独療法を行っても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者に対して、併用療法を行ったところ、インスリンの注射回数を増やさずに血糖コントロールが改善したという報告も聞かれています。

過去には経口薬で予想した効果が得られない場合にインスリン療法が行われていた様でしたが、
現代では、早期にインスリン療法を開始して、よいコントロール状態に最大限に近づけ、糖尿病の合併症を未然に防ぐことも重要なことだといわれています。

※糖尿病2型糖尿病の患者は、以下の場合などにインスリン療法が必要な状態となります。

a内服薬を長く飲んでいても、血糖値のコントロールが不十分な場合
b血糖が非常に高く、速やかに血糖を管理する必要がある場合
c合併症(特に腎機能の低下)がある場合
d手術をされる場合
e糖尿病の女性が妊娠した場合

※私の場合のインスリン投与はaとbの場合に当てはまるようです。

使用したのは「トレシーバ注 フレックスタッチ 300単位」というものでした。

入院当初は8単位でしたが顕著な回復が見られないために、その後10単位に増やし、経過が良好でしたので8単位、6単位、4単位2単位と減らしていき現在は使用していません。

現在食事療法と運動療法に加えて経口糖尿病薬としては「ザファテック錠100mg」+「スーグラ50mg」を使用するのみとなりました。

理想を言えば食事療法と運動療法だけで糖尿病を克服したいものです。

■食事療法
適切な食事は血糖のコントロールに有効で、高血糖などの急性合併症、網膜症(目の病気)、腎不全、また心臓や脳に障害を起こす動脈硬化症などの慢性合併症のリスクを低下させるのに重要です。また、食事に関する知識は、インスリン使用中の患者の低血糖の予防に役立ちます。

食事療法を計画するにあたって、食品交換表を使う「食品交換システム」と炭水化物の摂取量に注目した「炭水化物計算(カーボカウント)」が有効な方法として知られています 。

いろいろな方法がありますので、自分にあった最適な方法を選択するために、栄養士・管理栄養士の方に相談するとよいでしょう。

■運動療法
運動には血糖を低下させる効果があり、長期的には減量効果をもたらします。運動によって体調をコントロールしているという充実感が持てるのは事実ですが、実際の運動療法を始める前にメディカルチェックを受けることが必要です。というのは、血糖のコントロールが極端に悪い時や合併症などがある場合、運動することによってかえって体調が悪くなることがあるからです。

メディカルチェックでは、医師などによって、問診、診察、また必要に応じた検査などが行われます。 メディカルチェックを受けて、疾患や健康状態をきちんと理解した上で、どのような運動が一番自分にあっているか、指導を受けるようにしましょう。

以下のいずれかに当てはまる場合には、運動療法を禁止または制限した方がよいことがあります。

・糖尿病のコントロールが非常に悪い
・糖尿病の合併症を有している
・虚血性心疾患や心肺機能に障害がある


■インスリンの働き
インスリンは膵(すい)臓で分泌され、肝臓から血流にのって全身に送られる過程で、インスリンに感受性のある肝臓、筋肉や脂肪組織の細胞に存在するインスリン受容体と結合し、ブドウ糖の細胞内への取り込み、細胞のエネルギー源としての利用、グリコーゲンや脂肪としての貯蔵促進などに働くのです。

食事として摂取された炭水化物は、身体にとってのエネルギー源となるブドウ糖に分解されます。
ところが、インスリンを産生する膵臓のβ細胞が正常に機能しなくなると、インスリンが適切に産生されず、身体の細胞は、エネルギー源となるブドウ糖を取り込めなくなります。

細胞内に取り込まれないブドウ糖は血液中にとどまり、細胞内ではブドウ糖をエネルギーとして利用できなくなります。さらに、血液中のブドウ糖が増えることで、血糖値が上昇します。

糖尿病になり、この状態が長く続くと、細胞のエネルギー不足によるいろいろな症状が出現します。また、高血糖状態そのものが、血管を含め全身組織の細胞にいろいろな障害を与えます。

さらには、血糖値が非常に高くなると、腎臓がブドウ糖を尿に排泄しはじめます。頻回の排尿に伴い、脱水による脱水、倦怠感、喉の渇きなどの症状が現れます。体重も減少することがあります。
糖尿病を治療しないままにしておくと、長期間の高血糖による代謝障害などにより慢性合併症を引き起こす可能性があります。慢性合併症は全身のあらゆる場所に起こりますが、特に網膜症、腎症、神経障害などの細小血管症と、脳卒中、心筋梗塞・狭心症なあどの大血管症があります。

このように、インスリンは、細胞がブドウ糖をエネルギーとして利用するのを助け、適切な血糖値を保つ大切なホルモンなのです。



■インスリン療法を受けている時の運動時の注意
運動はインスリンの吸収速度に影響を与える可能性があります。運動するときに使う体の部分には注射をしないようにしましょう。(例えば、自転車に乗る前には太腿に注射をしない、テニスをする前には上腕に注射をしない。)ただし、注射部位を変えられない時には、注射してから1時間ほど待って、運動を始めるとよいでしょう。

急に容態が悪くなる可能性を考えて、身分証明書や緊急連絡先が分かるもの、糖尿病治療を受けていることが分かる糖尿病カードなどを身に着けるとよいでしょう。

水分は十分に、こまめにとりましょう。運動前に水分を摂取しておくだけでなく、運動中にも適宜水分補給することが大切です。

運動中の低血糖の症状に気をつけましょう。

例)過度の発汗、頻脈(動悸)、めまい、頭痛、ふるえ、空腹、目のかすみ等
低血糖にすぐに対応できるように、ブドウ糖やブドウ糖を含む食品や飲料を携帯するとよいでしょう。
例)ブドウ糖または砂糖(10~20g) 、ブドウ糖を含む飲料水(150-200ml)、ドライフルーツなどの糖を含む軽食 。


☆彡インスリン治療は一度始めたら一生続けなければならないの?
1型糖尿病は、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島のβ細胞が破壊され、インスリンが分泌されなくなるので、残念ながらインスリン治療は一生続けなければなりません。

2型糖尿病では、病気が進行しインスリン分泌量が大きく低下した場合や、飲み薬で思わしい効果が得られない時は、インスリン製剤を注射する治療が行われます。また、早期の2型糖尿病であっても、糖毒性(高血糖によるインスリン分泌低下→インスリン抵抗性の増大→更に高血糖になる循環)がある場合は、この流れを断ち切るために、一時的にインスリン製剤による治療を行うことがあります。

いずれも使い続けるかどうかは、インスリンを外から補っている間(膵臓を休ませている)に、インスリン分泌機能が回復するかどうかです。インスリン分泌機能が回復したら、再び経口薬治療に切り替えることは可能です。


★「トレシーバ注 フレックスタッチ 300単位」
使用に関しては担当医とご相談ください。
一般名「インスリン デグルデク」
製造販売元 ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
薬価
1キットあたり2619円

●効能又は効果
インスリン療法が適応となる糖尿病

●用法及び用量
 通常、成人では、初期は1日1回4〜20単位を皮下注射する。投与量は患者の状態に応じて適宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4〜80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。注射時刻は原則として毎日一定とするが、必要な場合は注射時刻を変更できる。
通常、小児では、1日1回皮下注射する。注射時刻は毎日一定とする。投与量は患者の状態に応じて適宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日0.5〜1.5単位/kgである。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。

●使用上の注意
効能又は効果に関連する使用上の注意
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。

●慎重投与
インスリン需要の変動が激しい患者
手術、外傷、感染症等の患者
妊婦(「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)
次に掲げる低血糖を起こしやすい患者又は状態
重篤な肝又は腎機能障害
下垂体機能不全又は副腎機能不全
下痢、嘔吐等の胃腸障害
飢餓状態、不規則な食事摂取
激しい筋肉運動
過度のアルコール摂取者
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
血糖降下作用を増強する薬剤との併用(「相互作用」の項参照)
低血糖を起こすと事故につながるおそれがある患者(高所作業、自動車の運転等の作業に従事している患者等)

●作用と効果について
膵臓ホルモンの一つインスリンと、構造が少し異なるインスリン(インスリンアナログ)で、細胞のインスリン受容体に結合してブドウ糖の取り込みを促進し、血糖値を下げます。
通常、インスリン療法が適応となる糖尿病の治療に用いられます。
次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。低血糖症状がある。
妊娠または授乳中
他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。

●副作用について
主な副作用として、成人では低血糖、糖尿病網膜症の顕在化または増悪、体重増加などが、小児では注射部位反応、低血糖などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。
下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
・脱力・倦怠感、高度な空腹感、冷汗 [低血糖]
・呼吸困難、血圧低下、頻脈(脈が速い) [アナフィラキシーショック]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
保管方法その他
乳幼児、小児の手の届かないところで、光を避けて保管してください。未使用のものは凍結を避け、冷蔵庫内(2~8℃)に清潔に保存してください。使用中のものは冷蔵庫にいれず、8週間以内に使用してください。
廃棄については受け取った薬局や医療機関に相談してください。

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