食中毒などを引き起こす腸管出血性大腸菌の感染者が増加傾向。7~8月にピーク要注意

食中毒などを引き起こす腸管出血性大腸菌の感染者が1週間で45人に上るなど感染が広がり始めた。

 気温上昇とともに流行が拡大し、7~8月にピークを迎えるため、国立感染症研究所は注意を呼びかけている。

 感染すると、腹痛や下痢、血便のほか、 嘔吐おうと や発熱を伴うこともある。抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は、貧血や急性腎不全を起こして死に至る恐れもある。同研究所によると、昨年は9人の死亡が報告された。今月7日にも、群馬県の高齢者施設で、腸管出血性大腸菌 Oオー 157に感染した90歳代の女性が死亡している。

 もともと牛などの腸に生息しており、生肉など食品を通じて人間に感染する。感染者の約3割は無症状で気付かずに感染を広げる危険性もある。トイレ後や調理前、食事前の手洗いの徹底で感染の拡大を防げる。
 同研究所感染症疫学センターの斉藤剛仁主任研究官は「肉類の生焼けに注意して食中毒を予防してほしい」と話している。


★腸管出血性大腸菌(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん、enterohemorrhagic Escherichia coli:EHEC)とは、ベロ毒素 (Verotoxin=VT)、または志賀毒素 (Shigatoxin=Stx) と呼ばれている毒素を産生する大腸菌である[1]「病原性大腸菌」の一種である。このため、VTEC (Verotoxin producing E.coli) やSTEC (Shiga toxin-producing E.coli) とも呼ばれる。この菌の代表的な血清型別には、O157が存在する。
この菌による感染症は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律により3類感染症として指定され、確認した医師は直ちに所轄する保健所などに届け出る必要がある。

◆感染経路
菌に汚染された食品・飲料水からの感染、患者や保菌者からの感染など種々の感染経路が報告されています。食品としては牛生肉のほか野菜など種々な食品の報告があります。拡大防止のために感染経路の究明が大切です。

◆症状
O157等の感染では、約半数は全く症状がないか軽度の下痢のみです。また約半数では水様性の下痢から激しい腹痛と大量の鮮血を伴う下痢まで様々です。時には血小板減少、貧血、腎機能障害を特徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS)などの重篤な合併症を起こし、死に至ることもあります。

1996年の堺市などの集団感染で有名になったO157はその代表的なものですが、そのほかに026,O111,O128など多くの種類があります。

◆特徴
通常の食中毒菌と異なり、非常に少ない菌数でも発症します。
潜伏期間が2~9日と長い。
感染力が強くわずかの菌数でも感染し、人から人へと広がります。
O157ではわずか数百程度の菌数で発症するため、糞便等を介して感染する可能性があります。トイレのドアのノブ、オムツの取り扱いなど十分な注意が必要です。
(通常の食中毒菌は人から人へ感染することはありません。)
熱や市販の消毒薬に弱い。
75℃、1分の加熱で死滅します。
また逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)やアルコールなどの市販の消毒薬でも容易に死滅します。

※歴史
1982年 アメリカのオレゴン州やミシガン州などでハンバーガーが原因食と推定される食中毒からEscherichia coli O157:H7(O157)が初めて検出される。
1993年には、アメリカのシアトル周辺で大規模なハンバーガー食中毒事件も発生。
その後北米、欧州、オーストラリアなどでも集団発生が相次いで発生している。
日本では、1990年に埼玉県浦和市(現さいたま市)の幼稚園にて井戸水が原因とされる食中毒が発生した(園児2名が死亡)。
1996年 日本において、爆発的な発生が見られる。特に大阪府堺市においては小学校の学校給食で提供された食品がEscherichia coli O157:H7に汚染されていた事により、10,000人を超える集団発生(堺市で小学生3名、岡山県で小学生2名が死亡)。
1997年以降、毎年千数百人の医療機関を受診した患者が報告されている


◆予防 − 通常の食中毒対策で予防が可能です −
よく手を洗いましょう。
調理器具は清潔にしましょう。
肉類など汚染が心配されるものは十分に加熱しましょう。

★食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」です。
 

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