米司法省が医薬品メーカーのマリンクロット・ファーマシューティカルズに鎮痛薬オキシコドンの供給に対し3500万ドル(約40億円)の罰金を課した

米司法省は7月11日、医薬品メーカーのマリンクロット・ファーマシューティカルズ(Mallinckrodt Pharmaceuticals)に対し、依存性の高い鎮痛薬オキシコドンを供給し、疑わしい大量の注文を当局に報告しなかったとして3500万ドル(約40億円)の罰金を課したことを明らかにした。
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 米司法省によると、同社は米フロリダ(Florida)州などにある薬局からの疑わしい大量の注文について、麻薬取締局(DEA)への報告義務を果たさなかったことで罰金の支払いに同意した。

 マリンクロット社をめぐっては、卸業者を通じて大量のオキシコドンを需要がないとみられる地域に供給していたとしたDEAが2011年から調査を行っていた。

 米国では過去10年にわたり大手製薬会社がほぼ野放図の状態でオピオイド(アヘンと似た作用がある鎮痛薬)を大量に供給しており、それが依存症や過剰摂取による死亡者の急増につながっていると指摘されている。昨年は薬物の過剰摂取で6万人が死亡したと推計されている。

 今回の罰金額はマリンクロット社の2016年の純利益の7.2%に当たる。同社は声明で、当局の指摘には同意しておらず、法律違反はしていないと主張している。


★オキシコドンとは
オキシコドン(英: oxycodone)とは、オピオイド系の鎮痛剤のひとつで、アヘンに含まれるアルカロイドのテバインから合成される半合成麻薬。商品名オキシコンチンなどがある。1996年のWHO方式がん疼痛治療法においては、3段階中の3段階目で用いられる強オピオイドである。
麻薬及び向精神薬取締法における麻薬で、劇薬でもある。


◆剤型
オキシコドンの徐放剤オキシコンチンが塩野義製薬から発売されており、散剤や注射剤など、各社から様々に出ている。日本では、ヒドロコタルニンとの合剤の注射剤、アトロピンとの合剤の注射剤も販売されている。

◆訴訟
2007年、アメリカにおけるオキシコンチンの販売者であるパーデュー・ファーマ社(Purdue Pharma)に対し、誤解を招くようなブランド戦略に対して6億ドルの罰金が科された。同社は、オキシコンチンは長時間型の放出製剤であるので、短時間作用の薬剤よりも致命性や乱用性、依存性が低いと主張し、マーケティング・キャンペーンの要として1996年に売り出しすぐに10億ドルの売り上げに達した。しかし、2000年にはアメリカ国内、特に農村部にて依存や関連犯罪が急増した。そして、同社の内部文書によれば、売り出される前から依存性や医師の懸念による抵抗があることを示していたが、詐欺的なマーケティング・キャンペーンを実施した。

◆規制[編集]
・イギリス
イギリスではオキシコドンは1971年薬物乱用法により、クラスAドラッグとして規制されている。この規制は「おおよそ有害であると認識されている」との分類であり、処方箋なしに保持している者は、最高で懲役7年または終身刑として罰せられる。また、違法に売買した者は最高で終身刑に罰せられる。

・乱用問題
アメリカ合衆国
アメリカでは手軽で効き目が長続きすることから、怪我や歯痛など慢性的な痛みを和らげる痛み止めとして利用されており、処方箋を出せば街の薬局で入手できるため乱用が社会問題となっている。錠剤を粉砕して鼻から吸引し、ヘロインのような高揚感を得る例が多かったため、2010年には粉砕してもゲル状になるようにオキシコンチンの製剤方法が変更された。

アメリカでは120万人以上の人口がオピオイドを乱用している。
2010年には、オピオイドおよび他ドラッグ(アルコールやベンゾジアゼピンなど)らの過剰摂取により16,652人が死亡している。
2013年7月、FDAはラベリングガイドラインを改正し、医薬品メーカーに対し「中程度の痛み」に対しての適応を削除し、代わりに「長期オピオイド療法が必要となる、日中夜続く深刻な痛み」と記載するよう要求した。

この改定は、医師が中程度の痛みに対して必要なオピオイド処方を制限するものではない。
アメリカ合衆国保健福祉省の統計によれば、おおよそ1100万人の市民が、cotton、pills、kickers、orange countyなどの名前で違法に売られている医療外のオピオイドを一度は使用した経験があるという。
アメリカの病院においては、おおよそ年間10万人の男女がオピオイド薬物乱用のために入院しているとされ、オピオイド乱用は広くアメリカに蔓延している。

◆トヨタ役員逮捕事件
2015年6月18日、トヨタ自動車の当時55歳だった女性常務役員が麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑のため逮捕された。「ネックレス」と記載されたアメリカからの国際宅配便の小包に、「オキシコドン」の錠剤が57錠が入っていたため密輸の疑いが持たれたが、「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認した。

小包はミシガン州から発送後にケンタッキー州の空港を経由し、6月11日に成田空港に空輸されたもので、元常務役員は「父親から送ってもらった」「膝の痛みを和らげるために輸入した」と説明している。

7月8日、アメリカ大使館の働きかけもあって東京地検は不起訴処分(起訴猶予)となり、元常務役員は即日釈放され帰国した。
「規制薬物との認識はあったが、体調不良に対処するためで快楽を求めるなど乱用目的ではなかった」と理由を説明していた。日本の検察当局は、アメリカでは違法薬物使用に関する罪が軽い事と、逮捕後の6月30日に役員を辞任し社会的制裁を受けている旨を考慮し、不起訴処分とした。









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