ビタミンB3は妊婦さんにいい。一部の流産や先天異常を大幅に減らせる可能性がある

一般的なビタミン剤を摂取するだけで、一部の流産や先天異常を大幅に減らせる可能性があるとする研究論文が10日、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表された。

 ビクター・チャン心臓病研究所(Victor Chang Cardiac Research Institute)の専門家らによる研究では、妊婦体内でニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)分子が不足することで生じる子宮内の胚や胎児の正常な発達の阻害が、ビタミンB3の摂取で対処できることが分かった。ビタミンB3は、ナイアシンとしても知られる。

 研究者らは今回、流産や胎児の先天異常を経験した妊婦や家族の遺伝子を調べ、NAD分子の生産を阻害する遺伝子変異を突き止めた。

 NADの生成には肉や野菜に含まれるビタミンB3が必要となる。研究では、NAD欠乏マウスの胚を対象にビタミンB3の投与による効果を調べ、その有意性を確かめた。

 今回得られた結果について同研究所は声明を発表し、「ビタミンB3を母マウスの餌に入れる前は、流産や胎児に多様な先天異常がみられた」「餌を変更した後は、その両方ともみられなくなり、子どもはすべて健康体で生まれた」と述べている。

 研究者らは今後、高リスク女性を特定するためのNADレベル測定検査法を開発し、対象となる女性に十分なビタミンB3摂取を確保することを目指すとしている。


★ナイアシン (Niacin) は、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で、ビタミンB3 ともいう。水溶性ビタミンのビタミンB複合体の一つで熱に強く、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠である。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがある。欠乏すると皮膚炎、口内炎、神経炎や下痢などの症状を生じる。エネルギー代謝中の酸化還元酵素の補酵素として重要である。

◆ナイアシンを豊富に含む食品:カツオ、サバ、ブリ、イワシ、レバー、鶏ささみ、マグロ、シラス干し、たらこ、豆類、コーヒー

◆ビタミンB3の別名
ナイアシンアミド、ニコチンアミド、抗ぺラグラビタミン
食材からのビタミンB3
牛の肝臓、ビール酵母、鶏白身、葉菜類、オヒョウ(魚)、ホップ、ピーナッツ、豚肉、家禽肉、イチゴ、サケ、ヒマワリ種、メカジキマグロ、七面鳥、子牛肉
ビタミンB3(ナイアシン)は、体内でも合成され、トリプトファン(アミノ酸)から作られる。
性 状
ビタミンB3(ナイアシン)は、水溶性ビタミンのグループに属するビタミンで、熱、光(紫外線)、酸化に対して安定しているビタミンである。
ビタミンB3(ナイアシン)は、体のなかで炭水化物、脂肪、および、蛋白質をエネルギーに変える際に働くビタミンで、このときに働くのはビタミンB3(ナイアシン)の補酵素である、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)が働く。
ビタミンB3(ナイアシン)は、細胞の成長には不可欠であると同時にホルモンの合成にも関わるビタミンである。
ビタミンB3(ナイアシン)は、腸で吸収され、肝臓に蓄えられるが、過剰に摂取されたものは、尿から排泄される。
働 き
①   血液の循環を向上
②   血中コレステロールを低下
③   神経組織を正常に働かせる
④   たんぱく質の合成
⑤   皮膚、舌、消化器系細胞組織の正常な働き
⑥   胃酸の生産を若干促す
⑦   高齢者の足腰の痛み
⑧   ビタミンB3(ナイアシン)の補酵素である、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)によって正常な細胞が癌化することを防ぐ
⑨   アレルギー症状改善
⑩   高脂血症の改善
⑪   高血圧の改善
⑫   筋肉のけいれん改善
⑬   血管拡張作用
⑭   癌の予防
●疾患への対応
動脈硬化
注意欠陥症(ナイアシンアミド) 
うつ病(ナイアシンアミド) 
Ⅱ型糖尿病
月経困難
頭痛
甲状腺機能低下症
インポテンツ
痴呆症
多発性硬化症
骨関節炎(ナイアシンアミド)
月経前症候群(PMS)
乾癬性関節炎
リュウマチ
アルコール依存症(ナイアシンアミド)
恐怖症
コレステリン血症
高血糖症(クロミウムとともに)
高脂血症(ナイアシンアミド)
低血糖症(ナイアシンアミド)
不眠症
レイノー症候群
統合失調症

●サプリメント
主として以下の成分がナイアシンサプリメントとして販売されている。
ナイアシン
ナイアシンアミド
ナイアシンエステル化合物

●医薬品
ニセリトロール - ナイアシンをエステル化した誘導体。日本では高脂血症を適応とする処方薬である。他の薬では下がらないリポタンパク質(a)(英: Lipoprotein(a)、英: Lp(a))を若干下げる。
ニコランジル - 亜硝酸薬のひとつでで一酸化窒素を生成し、狭心症/急性冠症候群に対する血管拡張剤として用いられる。一酸化窒素を生成した後、残基がNADとなる。
●摂取時の注意
熱、酸、アルカリ、光いずれに対しても安定ではあるが、水溶性である。調理の際、煮汁などへの損失に注意しなければならない。
●欠乏症
ペラグラ
口舌炎
下痢などの胃腸障害
皮膚炎
神経症状
多彩ではあるが致命的でない症状を示すのが特徴的。


●過剰障害
ナイアシン - 1日100mg以上の摂取で皮膚が赤くなり(皮膚紅潮)ヒリヒリしたり、痒みが出る(掻痒感)が数時間で治まる。 国内外問わず、これを「ナイアシンフラッシュ」と呼ぶ。独特の感覚を引き起こすため、これを求めて故意にナイアシンを過剰摂取する者も多い。
ナイアシン徐放剤 - 1日2000mg以上で肝障害の可能性がある
ナイアシンアミド - 1日3000mg以上の摂取で肝障害の可能性がある
●注意事項
高用量では血糖値を上昇させるおそれがあり糖尿病では注意が必要。
高用量では尿酸値を上昇させるおそれがあり痛風では注意が必要。

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